本書は、これまで発売されたことのない音源を中心に、古今亭志ん朝をはじめとする著名な落語家による貴重な名演を収録してお届けするCD付きマガジンです。
CD収録作品は、ラジオ局5社(TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ABCラジオ、STVラジオ)に残されていた秘蔵音源。そのうち半分以上はレコード/CD化されたことのない未発売音源。
創刊号に収録される1958年の古今亭朝太時代の「富久」から始まり、若き真打として時代の寵児だった60~70年代、脂の乗り切った80年代、円熟期を迎える90年代以降まで、当時放送された後、聴きたくても聴けなかった貴重な口演を堪能できます。
マガジンでは収録演目解説ほか、高座での姿を収めた貴重な写真、落語家の人物像や落語の魅力に迫る多彩な記事を掲載。
マガジンの原稿は、落語に関する著書も数多い演芸評論家・長井好弘氏や、日本で唯一の演芸専門誌『東京かわら版』編集部、そして落語評論の第一人者・京須偕充氏といった、豪華執筆陣が担当。
写真は、30年以上にわたり名人の高座を撮影し続けてきた横井洋司氏による秘蔵カットをふんだんに使用。
まさに寄席の世界を知り尽くした面々により、落語の神髄がひもとかれます。
毎回届くマガジンは
別売「特製マガジン収納ボックス」へ、
マガジンに付属するCDは定期購読特典の
「特製CD収納フォルダー」に毎号収納していくと、
大ボリュームの「昭和落語CDコレクション」が
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※特製マガジン収納ボックスやCD収納フォルダーは、
デザインや内容が変更される可能性がございます。
ラジオ局5社が全面協力!CDに収録される音源の、なんと半分以上が未発売音源。
十八番の「火焔太鼓」「愛宕山」「お直し」「大工調べ」をはじめ、もう一度聴きたかった名高座の数々が会場の臨場感そのままによみがえります。
- ※ の演目は未発売音源を含みます。1958年以降のラジオ局( TBSラジオ、文化放送、ニッポン放送、ABCラジオ、STVラジオ)で放送された音源です。
収録場所は、浅草公会堂、朝日生命ホール、STVホール、銀座ライオンビアホール、神戸文化ホール、国立演芸場、心斎橋パルコ、鈴本演芸場、高島屋大阪店ホール、TBSホール、道頓堀角座、なんば花月劇場、本牧亭、有楽町ビデオホール、四谷倶楽部ほか。
- ※このラインナップは、1~64号に収録を予定している古今亭志ん朝による音源の演目です。
- ※収録日・場所が異なる高座を複数収録する演目があります。
- ※掲載号は今後の予告でお知らせします。なお、収録演目が変更される場合があります。
志ん朝落語を堪能した後は……
本シリーズでは、三代目古今亭志ん朝に続き、1973年から1999年まで開催された「STVホール名人会」の秘蔵音源から、六代目三遊亭圓生、五代目柳家小さん、八代目林家正蔵、十代目金原亭馬生、五代目三遊亭圓楽、三代目三遊亭圓歌の名演の数々をお届けします。昭和の落語界を代表するスーパースターたちの素晴らしい口演に聞き惚れること請け合いです。
STVラジオ(当時は札幌テレビ放送 ラジオ局)主催のホール落語会で、昭和から平成にかけて全306公演が開催されました。毎回、トップクラスの人気と実力を誇る演者が招かれ、その口演が放送されましたが、これまでその音源は一切発売されてきませんでした。今回はそのなかから6人の名人の高座をラインナップ。秘蔵音源で、珠玉の話芸をお楽しみください。
古今亭志ん生に入門して、わずか5年、24歳の若さで真打に昇進。当時の若手噺家では先輩にあたる、柳家小ゑん(後の七代目立川談志)、三遊亭全生(後の五代目三遊亭圓楽)、橘家舛蔵(後の八代目橘家圓蔵)ら多くの実力者や人気者を抜いてのスピード出世でした。ライバルの談志も、後年には「金を払って聴く価値のある落語は志ん朝だけ」と語っているほど。
父が古今亭志ん生、兄が十代目金原亭馬生という落語一家のサラブレッド。志ん生のみならず、教えを受けた八代目桂文楽や八代目林家正蔵ら名だたる昭和の名人たちから正統派江戸落語の遺伝子を受け継ぎ、古典の世界を古びることのない志ん朝落語として昇華させました。ちなみに創刊号に収録の「明烏」は八代目文楽の、第3号の「抜け雀」は志ん生の十八番だった演目です。
志ん朝落語の特徴は、美声や口跡の良さ、リズム感から生まれる品格です。職人や侍、幇間ら登場人物たちの息づかいまでも感じさせ、聴いているうちに過去の世界にタイムスリップしたような感覚に。くり返し聴いてもストーリーに思わず引き込まれてしまう珠玉の話芸です。志ん朝落語の名演の数々で、江戸から明治期の庶民の哀歓を笑いとともに堪能してください。
“昭和の名人”五代目古今亭志ん生を父に、十代目金原亭馬生を兄に持ち、自らも噺家の道を歩んだ古今亭志ん朝。志ん生への弟子入りから5年目という異例の速さで真打に昇進し、正統派江戸落語の担い手として芸を磨き続けた志ん朝の足跡をたどる。
- *参考文献=『志ん朝の高座』
(横井洋司=写真・京須偕充=文 筑摩書房)、
『文藝別冊 増補新版 古今亭志ん朝 落語の申し子』(河出書房新社)、
『志ん朝の落語』全6巻(京須偕充=編・筑摩書房)、
日刊スポーツ・コム
本名は美濃部強次(みのべ きょうじ)。
1938年3月10日、東京都生まれ。高校卒業後の浪人中に父・古今亭志ん生から「噺家になれ。扇子一本でどこだってメシが食えらあ」と勧められ、57年に父に入門、古今亭朝太で初高座を踏む。59年に二ツ目、62年に真打に昇進し、志ん朝を襲名。七代目立川談志、五代目三遊亭圓楽、五代目春風亭柳朝とともに「江戸落語四天王」と呼ばれる。得意演目は「火焔太鼓」「愛宕山」「三枚起請」「文七元結」「お直し」「強情灸」「船徳」「明烏」ほか多数ある。出囃子は「老松」。定紋は「鬼蔦」。
写真:横井洋司